「暴力団追放」「ひとりでホームに」

「暴力団追放」
晴れた日差しのもと、目線の先には「リサイクルボックス」と「暴力団追放!!」の看板が並んでいます。

リサイクルボックスは、私たちが日常的に行う「分別の協力」を求めるもので、平和で、市民一人ひとりの地道な努力の上に成り立つ**「優しい秩序」**を象徴しているようです。小さなルールを守り、環境を整える、静かな日常の風景です。

しかしその隣には、拳を突き上げ、強い意志を示すイラストと共に**「わたしたちの町から暴力団追放!!」と叫ぶ看板。これは、社会の平和を脅かす存在に対し、断固として立ち向かう「強い決意と力による秩序の維持」**を訴えています。

この二つが並ぶ光景は、「安全な私たちの街」がいかに複雑なバランスの上に成り立っているかを物語っているように感じます。理想とする平和な日常(リサイクル)を守るためには、ときに暴力という現実と向き合い、毅然とした態度(追放のメッセージ)で秩序を保つ必要もある。

日常の光景に隠された、社会の構造と、**「平和とは何か」**を考えさせる、ハッとさせられる一枚でした。

【撮影】
カメラ:FUJIFILM GFX50S II
設定:F8 1/200秒 ISO200
レンズ:不明

「ひとりでホームに」
今回のモノクロームスナップは、日本の駅のホームで撮影された一枚です。

画面の多くを占めるホームの床は、水分を含んで濡れており、強い光を反射して深い光沢を放っています。この水たまりのような床が、孤独な雰囲気と同時に、静かな美しさを空間に与えています。

中央に立つ男性は、リュックを背負い、何かを覗き込むようにうつむいています。彼の姿は、ホームの濡れた床に濃く長く伸びた影として映り込み、現実の彼と、影の世界の彼という、二つの存在感を生み出しています。その姿勢からは、列車を待つ間の「間(ま)」、あるいは誰かに連絡を取っているであろう個人的な時間に没頭している様子が伝わってきます。

モノクロームの世界では、背景の広告やクリニックの看板、ホームの屋根といった都市の要素が、すべて抑えられたトーンになり、主役である男性の「静」の動きを際立たせています。特に、足元の点字ブロックや、線路の砂利といった細部が、この場所が日常の喧騒の中にあることを示唆しています。

駅のホームは、いつも人々の行き交う場所ですが、この瞬間、まるで世界から切り離されたかのような、深い沈黙と内省的な空気が漂っています。旅の始まりか、仕事の終わりか。彼の背中が語る物語は、見る人の心に静かに問いかけてくるようです。人生の岐路や思索のとき、私たちは皆、こんな風に立ち止まり、孤独な影を落とすのかもしれません。
【撮影】
カメラ:
設定:
レンズ:

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