「梅田の交差点に集う、百万の物語」
このモノクロームの一枚は、大阪・梅田の中心地、阪急百貨店とJR大阪駅の間を繋ぐ、巨大な横断歩道を歩道橋の上から見下ろして撮影しました。
画面いっぱいに広がる白と黒のストライプの上を、数えきれないほどの人が一斉に行き交っています。まるで、指揮者のいない**「都市の交響曲」が演奏されているかのようです。モノクロームにすることで、人々の服装や表情よりも、動きと光のコントラストが強調され、この場所の持つダイナミズム**が際立っています。
ここにいる一人ひとりに、必ず「目的」があります。足早にオフィスビルへと向かい、今日の仕事をやり遂げようとしているビジネスパーソン。地下の食堂街を目指し、美味しいランチで活力を得ようとしている人たち。あるいは、旅行や出張で大きなスーツケースを引き、この街から次の目的地へと向かう旅人たち。
誰もが、自分の描く未来や目的に向かって、一歩一歩、確実に進んでいます。この巨大な交差点は、まさに無数の人生の目的が交錯する、エネルギーの渦です。
【撮影】
カメラ:FUJIFILM GFX50S II
設定:F4.5 ISO200 1/125秒
レンズ:GF35-70mmF4.5-5.6 WR
「登頂を阻んだ、最大の難関とは」
先日、鳥取の名峰、**大山(だいせん)**に挑戦してきました。
このモノクロームの写真は、登山の途中で捉えた一枚です。深い森の中、木道が急勾配を上へと導く様子は、まさに山に挑む者の決意を象徴しているかのようです。手前には、ストックを突き、強い日差しと影の中で歩みを進める登山者の姿。その背中からは、自然と対峙する力強い静けさが伝わってきます。
残念ながら、今回は登頂を断念しました。しかし、目標としていた七合目までは無事に到達。眼下に広がる景色は、達成感と充足感で胸がいっぱいになるものでした。
ただ、登頂を阻んだ最大の理由は、実は体力だけではなかったのです。七合目を超えてさらに上を目指すには、体力的な準備ももちろん重要ですが、私にとってそれ以上に大きな問題として立ちはだかったのが、**「トイレ問題」**でした。
高山でのトイレは、環境保全の観点から非常にデリケートな問題です。適切な装備と準備がなければ、自然を汚してしまうことになりかねません。七合目を超えてからの長時間の行程を考えると、この「生命維持に関わる問題」をクリアにしなければ、心から安心して登頂を楽しむことはできないと痛感しました。
山は常に私たちに**「準備の重要性」**を教えてくれます。次回大山に挑戦するときは、体力はもちろんのこと、すべての装備と心構えを完璧にして、あの頂からの絶景をこの目に焼き付けたいと思います。
【撮影】
カメラ:FUJIFILM GFX50S II
設定:ISO400 1/100秒
レンズ:不明
