「南海空港特急<ラピート>」「原付バイク」

「南海空港特急<ラピート>」
大阪の南部に住んでいると、日常的に南海電車を利用する機会がある。通勤や通学、買い物に加えて、旅行の際には関西国際空港へ向かうルートとしても欠かせない存在だ。その関空アクセスの主役といえば、やはり「南海空港特急<ラピート>」。メタリックブルーの車体に流線型のデザインが特徴的で、未来的な印象を与えてくれる。

実はまだラピートには乗ったことがなく、いつか乗ってみたいと思いながらも、これまでの移動はもっぱら特急「サザン」で和歌山方面。堺から和歌山まで指定席に座って移動できる快適さを体験して以来、南海電車の特急の良さを実感している。ラピートにも、あの落ち着いたシートと独特の車窓の雰囲気があるのだろうと想像すると、少しワクワクする。次に関空を利用する際は、ラピートの指定席にぜひ乗ってみたいと思っている。

撮影の面から見ると、ラピートはデザインが非常にフォトジェニックで、撮る角度によって印象が大きく変わる車両だ。特に難波駅から関西空港までの区間では、駅ごとに光の入り方や背景が異なり、撮影ポイントを探す楽しみもある。車体の反射や駅の照明の映り込みをどうコントロールするかも面白い課題だと感じた。

南海なんば駅のホームは比較的薄暗く、自然光が入りにくい場所が多い。そのため、ISO感度を少し上げて撮影するのがポイント。ISO100ではシャッタースピードが稼げずブレやすいため、ISO400〜800あたりが実用的。SIGMA fpではISO1600でもノイズが少なく、十分きれいに写る印象だった。動く列車を止めたいなら、1/160秒前後を確保すると良い。ラピートの丸みを帯びたフォルムと、深いブルーの質感をどう表現するかが腕の見せどころだ。
【機材】
カメラ:SIGMA fp
設定:ISO800 1/160秒
レンズ:SIGMA 45mm F2.8

「原付バイク」
日常の足として、そして小さな旅の相棒として活躍してくれるのが原付バイクだ。車よりも身軽で、細い路地や海辺の道など、行きたい場所に気軽に行けるのが魅力。エンジンをかけた瞬間に感じる振動と、走り出したときに頬をなでる風の感覚が心地よい。大阪の南部に住んでいると、街中から少し走るだけで海沿いの道や緑の多い場所に出られるので、気分転換にもぴったりだ。

近年は50ccクラスの原付が減りつつあり、125ccクラスへの移行が進んでいる。排気量アップで高速走行や坂道も余裕ができる一方で、昔ながらの原付らしい軽快さや手軽さが恋しくなることもある。小さなエンジン音や、信号待ちで聞こえるアイドリングのリズムには、どこか懐かしい響きがある。

原付バイクは、被写体としても魅力的だ。シンプルなフォルムの中に、乗る人の生活感や個性が表れる。街灯の下にぽつんと停まっている姿や、朝日に照らされるタンクの反射など、何気ない一瞬が絵になる。撮影する際は、できるだけ自然光を生かすのがコツだ。夕方の柔らかい光や曇りの日の拡散光は、金属の反射を抑えながら温かみのある雰囲気を作ってくれる。

夜の撮影では、ISO感度を800〜1600程度に設定し、シャッタースピードは1/60秒前後を確保すると、バイクの質感や周囲の街明かりをきれいに写せる。SIGMA fpのようなフルサイズカメラなら、ノイズを抑えながらもしっかりディテールが残る。レンズは45mm F2.8あたりが使いやすく、背景のボケも自然で立体感が出る。

撮影場所としては、駅前のロータリーや商店街の裏通りなど、日常の中にある場所が意外と絵になる。派手なロケーションよりも、普段の風景の中にバイクがある方が“生活の一部”としてのリアルさが出る。走行中を狙うなら、シャッタースピードを速めて動きを止めるか、あえて流し撮りにしてスピード感を出すのも面白い。

原付バイクは、単なる移動手段ではなく、自分の視点で街を切り取るためのツールでもある。エンジン音とともに見慣れた街を走ると、普段気づかなかった風景や光の瞬間に出会える。そんな発見をカメラで残していくのが、今の楽しみになっている。
【機材】
カメラ:富士フイルム GFX50S2
設定:SIO500 1/200秒
レンズ:不明

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