「大阪駅の隙間」「九十九島」

「大阪駅の隙間」

このモノクロームの一枚は、巨大な建築物が生み出した**「フレーム」**を通して、大阪・梅田の空とビル群を捉えています。

画面の大部分は、手前の柱や構造物の影に覆われた**「黒」の領域**。その中に、まるで望遠鏡を覗いたように、不規則な四辺形の**「光の窓」**が開いています。この大胆な構図が、見る者を一気に写真の世界観に引き込みます。

この光の窓の奥には、そびえ立つ高層ビルの頂部、そして駅の連絡通路らしきものが、わずかにカーブを描きながら見えています。特に、窓の中心に細く立ち上がる鉄塔のような構造物や、線路を支える架線柱が見えることで、この場所が、人や列車が絶え間なく行き交う**「都市の動脈」**であることがわかります。

僕が立ち止まったこの場所は、まさに都会の喧騒の中にある一瞬の**「隙間」です。みんなが忙しく、一歩でも早く目的地へ向かおうと足を速める中で、僕だけがこの光景に見入っていました。このフレームの中で切り取られた外の世界は、まるで別次元のようで、その奥には、彼らが向かう「目的」**が確かに存在しているように感じます。

この都市にいる一人ひとりが、一体どこへ向かっているのだろうか?僕もこの立ち止まった隙間から、彼らが持つエネルギーを受け取り、何か新しい目的を持って一歩前進したいと強く思いました。このフレームは、立ち止まって**「考える時間」**を与えてくれる、都市からのメッセージなのかもしれません。

【撮影】
カメラ:FUJIFILM GFX50S II
設定:ISO200 1/500秒
レンズ:不明

「九十九島」

、九州の美しい景勝地、**九十九島(くじゅうくしま)**の海沿いで撮影しました。

画面いっぱいに広がるのは、豊かな緑に覆われた島々の姿と、静かに広がる穏やかな海です。都会のビル群のような直線的な人工物はなく、ただ自然の造形が持つ緩やかな曲線と、波の音だけが支配する場所です。力強い太陽の光が、島々の木々や岩肌を立体的に照らし出し、モノクロームでありながら生命感に満ちています。

遠くに見える小さな島々が、まるで水面にポツポツと浮かぶように点在し、それがそのまま「九十九島」という名前の由来を物語っているようです。海沿いをバイクで走りながら潮風を受けるたびに、体の中から都会の喧騒が洗い流されていくのを感じました。

この場所には、コンビニも、目まぐるしく変わる広告も、忙しなく行き交う群衆もいません。その代わりに、**「時間」**があります。ゆっくりと流れる雲の動き、光の変化、そして静かに満ち引きを繰り返す潮の音。人工的な時計の針に急かされることなく、自然のサイクルに合わせて、自分の心と体が動いているのを感じられるのです。

一人になりたいとき、思考をクリアにしたいとき。無になりたくなったときに、ただひたすらこの海沿いを走りに行きたい。**「何もない」という贅沢が、この九十九島には満ち溢れています。ここに来れば、自分の内側にある「本当に大切なもの」**と向き合う時間を持つことができるのです。

【撮影】
カメラ:不明
設定:不明
レンズ:不明

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