「心斎橋の交差点」「長堀橋の角」
心斎橋近くにある商業ビルから、交差点の上を見下ろすように撮影しました。人や車が行き交う喧騒の中で、ふと高所から眺めると、街全体がひとつの大きな構造物のように見えてきます。規則正しく並ぶ道路の線、建物の影、そして光の反射がつくるリズム。そのすべてがモノクロの世界では形とトーンの対話として現れ、都市の秩序と混沌を同時に感じさせます。モノトーンだからこそ、光が描く輪郭やコントラストが際立ち、街が持つ静かな緊張感を浮かび上がらせます。普段は通り過ぎるだけの場所も、視点を変えることで新しい表情を見せてくれる――そんな瞬間を切り取った一枚です。
【撮影】
カメラ:FUJIFILM GFX50S II
設定:ISO100 1/200秒 F3.5
レンズ:不明
「長堀橋の角」
長堀橋の休日は驚くほど静かです。平日にはスーツ姿のサラリーマンが足早に行き交い、ビルの谷間に人の流れが絶えないこの場所も、週末になるとどこか穏やかな時間が流れています。心斎橋筋の方へ少し歩けば、雰囲気は一変します。観光客がカメラを手に笑顔を見せ、外国語の会話があちこちから聞こえてくる。インバウンドの波が街を包み込み、大阪らしいにぎやかさを取り戻しつつあるように感じます。その一方で、地元の人々の生活や通りの表情も少しずつ変わっているのかもしれません。日常と非日常が混じり合うこの界隈では、時間帯や曜日によってまったく違う顔を見せる――それが長堀橋という街の面白さでもあります。
【撮影】
カメラ:FUJIFILM GFX50S II
設定:ISO100 1/250秒
レンズ:不明
