「海の向こうへ」
瀬戸内海の穏やかな海岸線で撮影されました。手前の岩場と、遠くに見える島影、そして静かに広がる海と空が、美しいコントラストを生み出しています。
画面手前には、ゴツゴツとした岩礁が続き、その間には波が引いた後の小石の浜辺が顔を出しています。ここは、穏やかな海流と潮の満ち引きによって形成された、瀬戸内海特有の海岸線です。そしてその彼方、水平線の向こうには、薄く霞むように四国の大地が横たわっているのを感じます。
この光景を目の前にした時、ふと「あそこまで行ってみよう」という衝動に駆られました。しかし、まだ僕はその一歩を踏み出していません。考えてみれば、こんなにも雄大で、豊かな自然がすぐ目の前にあるというのに、人はなぜか遠くの自然を求めてしまうものです。近くの山や海には、いつでも行けるという安心感がある反面、それが**「いつでも行ける場所」**という甘えになり、特別な旅の対象から外れてしまうのかもしれません。
この写真に写る、海に立つ灯台(らしきもの)や、遠くを行き交う船の影。これらは、海を越え、島々を繋ぎ、人々を移動させてきた旅の証です。
僕にとって「四国」は、この穏やかな海を越えた先にある、まだ見ぬ土地。日常の喧騒から離れたこの場所で、目の前の自然の偉大さを感じながら、次は一歩を踏み出し、この海を渡って未知なる世界をこの目で見てみたい。この海辺の静けさが、僕の中の**「旅への衝動」**を静かに、しかし強く、掻き立てています。
【撮影】
カメラ:FUJIFILM GFX50S II
設定:ISO200 1/800秒
レンズ:GF35-70mmF4.5-5.6 WR
「室外機からの熱気」
ある建物の足元、二階部分のひさしのような場所に、ずらりと並んだエアコンの室外機群を捉えています。
無機質な建物の壁を背景に、まるで都市の臓器のように、機能的なユニットが連なっています。これらは、建物内部を快適な温度に保つために、絶え間なく稼働している**「機械の心臓」**です。
特に夏場、大阪の街を歩いていると、この室外機から放出される熱気が、さらに外の気温を押し上げているのを感じます。冷やされた空気の代償として、冷やされることなくそのまま外に放たれる**「熱」が、アスファルトや壁の蓄熱と相まって、都市全体を巨大なヒートアイランド**へと変えていくのです。
規則的に並んだ室外機の無骨なデザインと、その下に見える植え込みの生命力の対比が印象的です。人間が快適さを求めることで生じる熱と、それでも生きようとする植物の緑。この一角には、**「都市と自然の、ささやかな闘い」**が凝縮されているように見えます。
この室外機一つひとつが、中で働く人、住む人の数だけ存在する、都市生活の**「見えないコスト」**を象徴しているとも言えます。私たちはこの熱と引き換えに快適さを得ていますが、この熱気が溜まる場所こそ、僕たちが現代の都市生活で無視することのできない、環境への負荷と向き合うべき場所なのかもしれません。
【撮影】
カメラ:FUJIFILM GFX50S II
設定:ISO250 1/320秒
レンズ:GF35-70mmF4.5-5.6 WR
